ブータンでは２００４年から「禁煙国」となり、国内でのタバコ販売は違法となった。しかし外国人の入国には一人１カートンの持込が許されている。但し２００％の税金が請求される。また喫煙場所も人目に触れないプライベート空間、ホテルの自室くらいとか。ネットなどの情報に因れば２０１１年から取締りが一層厳しくなったとか。違法行為をする積りは無いので、税金を払い堂々持ち込む事にした。
　私の喫煙は一日１０本強です。充分だろうと日本から３箱を持ってゆく事にした。１箱はポケット、２箱はスーツケースに入れておいた。ポケットの一箱は成田とバンコクで半分くらいは吸うだろうという計算でした。
　入国審査の係官の指示でＴａｘ支払いをするべく別のカウンターに行く。片言の英語で「２Boxスーツケース、Halfはこれ！」とポケットからタバコを取り出し見せると、私の手から使いかけのソフトBoxを受け取り封紙を切り残りの本数を数え始めた。残数は１３本、次に別室に案内された。税関の出納室であろうか、上級の係官らしき女性から「Made in Japan?」と聞かれる。「Yes」と答えながらも「外国製セブンスターがあるのかしら？」と思っていました。えらく分厚いファイルを繰りながら書類を作成してゆく。

　私個人の印象ですが、ブータンに於ける喫煙は「ゆったり一服」なんていうものではなく「忙しない一服」が実感でした。ブータン出国の朝、最後の一箱の封を切りホテルの部屋で２本を吸いましたので喫煙は滞在日実質５日で３５本。普段より数本少ないくらいでしたので我慢をしたとも思いませんでした。美味しかったのはホテルベランダでの数本くらい、高くついた喫煙ですが一本も持たず禁煙していたら・・・オモシロイ経験でした。しかし最近は日本に限らず各国にて喫煙は厳しくなっていますので「タバコは卒業」するが勝ちかも！

禁煙国　ブータンでの喫煙

　今回の通関は本人申告に添った形で持ち込み数量も口頭だけで確認、それ以上はありませんでした。勿論スーツケースの２Boxも申告だけ。たまには抜き打ちチェックが有るのかも知れないが、この納税は入国書類での自己申告であるので申告者は意外と少ないのでは？そう思われました。確かにブータンでは公共の場所はモチロン、人目のあるところは禁煙である。しかしこの人目というのが問題だなと思われました。飲食店などは喫煙コーナーがあるのかしら？警官の立ち入りや摘発があるのかしら？そんな疑問もありました。このTax Receiptがあれば「葵のご紋」みたいなものである。法を犯す積りは無いがウッカリが心配でした。またどんな「納税証明書」が渡されるのか楽しみでした。結果としては大した金額でもないのに面倒な仕事を係官にお願いした事になっていたのかも知れません。
　その後ブータン国内で「喫煙する人」は一人として目にしませんでした。地方に行けば農作業で「一服する人」が居るだろうと思っていましたが全くナシ、インドからの出稼ぎ労働者にも「喫煙者」を見かけませんでした。この状況では当たり前ですがタバコをねだられることも全くナシでした。加えて有名なドマ（ビンロウジュ）をたしなむ人もワンデュ・ポダンの朝市で野菜売りの年配女性を一人を目にしただけでした。

通関では些か手間取り焦ったが私の英語力のなせるところ大であるから仕方が無い。迎えのバスに乗り込んだ後、ユックリと書類に目を通した。課税はセブンスター５３本税額は３１８ヌルタム日本円換算で￥６３６円であった。１と読めたのはタテバー｜でこの係官独自の物かブータンでの共通表示かは不明である。　　書類のBTC Codeは「日本製　セブンスター」のコードNoなのであろう。分厚いファイルを見ながら「Made in Japan?」と聞かれたのが印象に残っていた。　これはその後の話なのだが帰りの「バンコク・スワンナプーム空港」でNo Taxのセブンスターを売っていた。価格は１カートン５６０バーツ（日本円　￥１,６００.）　タイでの委託生産なので安いのだろうと購入した。　しかしよく見ると「Made in Japan」と書いてある。このタバコをブータンに持ち込むと税額は？日本への持込は？「日本製扱い？」「外国製扱い？」。　短期の旅行で成田、羽田でNo Taxのタバコを購入して使い残し、このタバコを購入しても「免税範囲超え」とは誰も思わないのでは！疑問が残りました。

左掲が提示された書類、上掲が明細部分の拡大です。Taxはコレと指で示されビックリ！　３１８１ヌルタム？　￥６,０００．を超える。「ヌルタム？」と聞くと「そうだ」という。ブータンに着いたばかりで「ヌルタム」は無い。　傍らに居た別の係官が「１０＄」と言うので１０＄札を出すと「外にBankがある」という。手荷物はその部屋に置いたまま通関出口を通り両替に出掛ける。Bankの窓口では先着のオバチャマ連で停滞。ココまで大分時間が経っている。ツァー仲間が待っているだろうと少し焦ってきた。「１０＄」で不足だと二度手間になる為「２０＄」の両替とした。部屋への戻り途、本来の通関出口から入るのだから当然係官からStopが掛かる。セブンスター１３本を数えた別の係官がそれを制して部屋に戻れた。ブータンの紙幣は初めて目にする物でピンと来ない。まして３１８１ヌルタム？の思いがあるので「ままよ！」と両替したヌルタムを全部手渡すと適当に取った後、残金と右掲のReceiptと小さなピン札３枚が返ってきた。後でよく見ると１ヌルタム札であった。支払いを済ませ部屋を出ると私のスーツケースが残されていた。これを持ちヤァッ〜と仲間と合流できたのでした。事前にTDには「通関でチョット手間取るけどゴメンネ」と伝えてありました。「税金を払うのを楽しみに来られた方は初めてです」と些か呆れられてたようですが“喫煙者”として堂々入国です。